【親を見捨てないために】認知症介護はプロに任せるべきという話

介護の仕事
家族が認知症です。
在宅で介護をしてますが正直もう限界です。
施設に預けたいですが親を見捨てるのか、
という自責の念から決断できません。
助けて。
 
 
 
この疑問に答えます。
 
 
この記事を読むことで
 
・認知症の適切なケアができなかった場合の末路
・施設=見捨てるという認識がもたらす現実
・介護職員がどう考えて認知症ケアをしているか
 
がわかります。
 
 
 
私は2019年4月現在27歳で介護職歴5年です。
認知症専門病院で3年半勤務し、現在はユニット型特養に勤務しており、
認知症のケアに従事しています。認知症対応のプロです。
 
また、祖父の在宅介護を経験しており
在宅介護の大変さも少しはわかります。
ここでは
認知症の家族を施設や病院に預けるのは
決して逃げや見捨てるという行為ではなく
正しい選択肢のひとつだという事をわかって頂きたいです。
 
 
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認知症は治らない

認知症の診断を受けていれば、認知症についてネットで調べたり
医師からどのような病気であるのか説明を受けていることが多いことと思います。
しかし、認知症の方の家族の中には病気についての理解が浅いご家族もいると感じます。
 
認知症は、投薬治療を続け、関わり方を工夫することで
進行を遅らせ、症状を和らげることは十分可能ですが
完治は現在の医学では難しく、進行を止めることもできません。
 
この事実を理解したうえで今後どのようにしていくのか
(施設入所の検討や在宅介護の継続)
決めていく必要があります。
 
 

認知症が究極に悪化すると…

私が以前勤めていた認知症専門病院にいた患者さんの症状を参考に書きます。
必ずこうなる、というわけではなく
適切な治療や環境が用意されていないとこうなる可能戦もあるという話です。
 
 
 
 
 

BPSD(周辺症状)が常に出現している状態

 
BPSDとは認知症の周辺症状のことで
暴言、暴力、徘徊、幻視、幻聴、不潔行為…etcなど
介護をする側がめちゃくちゃストレスを感じる症状のことです。
ご本人もストレスや不安を感じ、その結果現れる症状なので
原因は必ずありますが介護する側に余裕がないとそんなこと考えられません。
 
 
幻視、幻聴があることにより
常に大声で奇声を上げたり
おむつ交換や入浴を嫌がり
殴る、蹴る、叩く、つねる、噛みつく、唾吐き等で介護拒否をします
 
また、紙や食器など
食べ物以外のものを食べようとしたり、
記憶が本当にもたなくなってしまえば
日付、天気、いつ帰れる?等
30秒に一度同じことを繰り返し尋ねてきます。
 
病棟が鎮まることはたとえ深夜でもほとんど無いこともありました。
 
 
 
しかし
適切な時期にご本人に合う薬を使った投薬治療ができ、
ご本人にあった環境の中でケアができれば
ここまで激しい症状が常に出現していることはないです。
 
言葉選びが適当かどうかわかりませんが
認知症を患っていても、穏やかにボケて
職員から見ると
かわいいなぁと感じる方もたくさんいます。
 
入所したときは大変な状態でも
ケアを続けていくうちに穏やかになる方もいます。
 
 

家族も人間。限界がきて当然

私は家族で認知症を患ったものがいないので
本当のところ
ご家族の気持ちを理解しきれているとは到底思えませんが
認知症介護は、【仕事だから続けられる】と感じます。
 
仕事が終われば、介護から離れられる時間を確保できる、という状況を作れているから続けられるのです。
 
 
介護の仕事は好きですし、やめるつもりもありませんが
認知症の症状が激しい方の対応は
職員もストレスを抱えることが多く
 
複数の職員で協力しながら行います。
 
 
 
これを見てご家族からは申し訳ないとか
迷惑かけてすいませんとかいう風に声をかけていただくことがありますが
まったく申し訳なくないし
それが私たちの仕事です。
 
職員も人なので
イライラもするし、つらいこともあります。
いろんな症状を見て、知っているプロですらそうなのです。
 
1日中向き合って介護をされるご家族がどれだけの苦労をかかえているか
想像するだけでも
 
助けたい、という気持ちがわきます。
 
 
でも
認知症になった本人は何も悪くない。
 
どうしてできないのか、
何ができないのか
なんで怒られているのか
何も正しくわからないんです。
 
 
だからこそ
イライラしてしまう、その気持ちも
わかります。職員も感じることのある気持ちです。
 
ただ、プロである私たちは他の職員と協力し合い
チームでケアをしています。
 
この対応でうまくいかなかった、では次はこうしてみよう とか
何度もうまくいかなくてつらいので今日は対応を変わってください、とか
 
認知症を患ったご本人のために
どういう対応が適切か、のPDCAを常に回していますし
 
ケアをする側もストレスを溜めすぎない工夫をしながら動いているんです。
 
 
ご家族も、介護を受けるご本人も
お互いにイライラして、気持ちのはけ口がないと
 
 
つらいです。
 
【介護疲れ】による
いろんな事件に直結してしまう。
 
 
だからこそ、
お互い気持ちよく過ごすために、
お互いのために
【プロに任せる】という選択肢を考えてみてほしいんです。
 
 
 

【施設に預けると家族を見捨てたような気がする】

実際こういう声もご家族から聞きます。
 
でも
お互い限界ぎりぎりで在宅で過ごし、
介護が終わったとき
最期に【やっと終わった…】と思うような関係はお互いにとっていいものであると言えるでしょうか。
 
 
 
もちろん、望んで在宅で過ごされているのなら
それはいいことです。
 
しかし、自責の念のせいで在宅を続ける必要はないと私は思います。
 
施設に預けても
・ご本人の好きなお菓子や飲み物を持参していただく
・月1回面会に来られる
それだけでも十分なケアの一助です。
 
 

レスパイトケアという考え方

そうはいってもいきなり施設に預けるのはできない
というときは
 
ショートステイやデイサービスから利用してみるのがセオリーかなと思います。
 
 
認知症は認知機能が低下するので環境の変化にとても敏感です。
ご家族が不安なのと同じように、ご本人も不安です。
 
いつもと違う場所、人、
なんで?ここはどこなの?
と混乱することもあると思います。
 
最初は
数時間しか預けられないかもしれません。
 
でも、保育園の慣らし保育と同じように
家族も本人もその状況に少しずつ慣れていけば
少しずつ時間も伸ばせます。
 
 
そうすれば
ご家族が一息つく時間もできます。
 
 
 
家族旅行にいくから1週間おばあちゃんを預けます。
 
みたいな理由で皆さんショートステイを利用されます。
 
 
 
 
介護をする側のケア、休憩時間を提供することを【レスパイトケア】といいますが
こういう言葉があるくらいなんですから
休憩することは悪いことじゃないんです。
むしろ必要なことなんです。
 

まとめ

みんな一人の人です。
 
ひとりだけつらい思いをしていい、なんでないです。
ロボットのようにただ動く必要はないです。
 
ケアマネや病院、包括支援センターなど
連絡すれば絶対に助けてくれます。情報をくれます。
 
どうすればいいかわからない、なんて当然です。
全部教えてもらいながらできます。
 
ちなみに余談ですが
ケアマネさんは合わなかったら変えてもらうこともできます。
私も祖父を在宅で介護した経験がありますが
一度ケアマネさん変えてます。
 
 
 
 
 
 
 
施設にあずけ、見捨てる
ではなく
 
 
・プロに任せてご本人に快適な環境を提供してあげる
・自分たちの休憩時間を作る
 
 
 
そんな気持ちで
在宅以外の選択肢を考えてみてほしいです。

余談

施設入所に関して、包括支援センターなどに相談する、と書きましたが、施設の種類や費用の相談、こういう施設はないの?といった施設に関しての相談は、プロのコンサルタントに依頼してみるのもアリかもです。

在宅、施設、地域サービスと一手に引き受けている包括支援センターなどと違い、施設のことに特化しているので介護施設のスペシャリストなので不安に思っている事を順番に解決してくれるはず。

 

 

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