【施設入所前に知ってほしい】介護施設での転倒事故の原因と対応

介護の仕事
 
こんにちは、るいぴです。
 
先日下記のツイートをしました。
 
 
 
たまにいるんだよなぁ 絶対転ばせないでっていう要望出してくる家族
 
 
介護士に手が10個と目が全方位についてて、ゴムゴムの実でも食ってれば可能かも知れんけど
施設で【絶対】は無理なんですよね。
マンツーマンじゃないし 誰かだけ特別に手厚くとか無理なので
 
このツイートに関して、少し深堀りしていきます。
 
私は現在、介護職6年目でユニット型特養に勤務しています。
正直、転倒事故は防ぎようのないものも少なくないと感じており、現場では精一杯防止対策を講じていても起こってしまうものもあると、施設にご家族を預けている方や介護を知らない方にも分かってほしいという思いから記事にしました。
 
 
 
では、以下から内容に移ります。
 
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介護士は事故を起こさないという前提の下働いている。

最近では、介護施設の事故が報道される機会も多く、施設側に100%の過失がなくても、あたかもそうかのように報道されており、少し心苦しいです。
 
介護施設は人の命を預かる場であり、事故は極力起きてはならない場所である、と考えています。しかし、介護士の注意力と危険予知能力だけではどうしても防げない事故も存在します。その多くが転倒事故です。
 

転倒事故の原因

転倒事故は歩行状態が不安定な利用者さんが一人で歩こうとしてしまい、転んでしまうという場合がほとんどです。ご家庭では、一人で歩いている時に、少しの段差や階段などで躓くという状況が多いかと思いますが、介護施設は当たり前にバリアフリー設計であり、利用者さんの食堂やリビングはもちろん居室やトイレ、脱衣所など、ほとんどの場所で車いすでも余裕をもって動ける作りです。
 
そのため、多少歩行状態が不安定でも認知機能(ここは通っても躓くものがないな、危なくないなという認識)がある程度保たれており、尚且つ眠剤などを飲まれていない状況下では実際あまり転倒事故は起きません。絶対に起こらないとは言えませんが起こりづらいです。施設の作りに加え、認知機能が保たれ、歩行状態が普段と変わらない(眠剤などを服用すると歩行状態歩行状態は悪くなります)場合は介護士が行動予測できる為、環境整備などで安全が確保しやすい為です。
 

認知症の行動は1人では到底カバーできない

認知症を患うと、幻視があったり、幻聴、見当識障害、記憶障害など様々な症状が出てきます。いくら経験を積んだ介護士でも健常な認識では想像できない範囲の行動をされてしまうこともしばしばです。
しかし、ある程度介護経験を積むと認知症の方であっても予測できる行動が多くあるのも事実です。
 
例えば
  • カーテンを掴んで立ち上がる
  • 車いすのブレーキをかけずに立とうとする(座ろうとする)
  • 車いすのフットレストをまたいで歩こうとする
 
など転倒につながりやすい行動は認知症の方であっても少しのは予測はできます。すべての把握は無理ですが、ある程度の危険予測をするのも介護士の仕事です。
とはいえ、予測できていたことでも人手がないとその予測から起きる事故を防ぎきれない、というのが正直なところです。
 
 
例えばこんな状況です…
 
フロアには介護士1名で10人の利用者さんがいたとします。歩行不安定で認知症がある利用者さん(Aさん)がトイレに行きたいと訴えたとします。介護士はAさんのトイレに付き添うためフロアを空けてしまいます。ちなみにAさんは認知症の記憶障害があるため、すぐに会話の内容を忘れます。転倒歴もあります。Aさんのトイレに付き添っている最中に何度も転倒歴のある別の利用者さん(Bさん)のセンサーマットが鳴ってしまい、介護士は【Aさんは一人で立ち上がるし、待ってられないんだよな…】と思いつつもセンサーの対応をしなければならないため、トイレにいるAさんに「ごめんなさい、少し座って待っててくださいね、すぐ迎えに戻ってきますから」と伝え、センサーマットを設置したBさんの居室に向かい対応しました。(この場合、転倒リスクはAさん≦Bさんとします)そしてトイレに戻ると、トイレの前の廊下で転倒しているAさんを発見。
 
 
…伝わりづらかったらすいません。
予測はできていても、一人しかいない状況で同時に2人対応しなければならない状況になった場合、介護士は瞬時に頭で優先順位を判断して転倒リスクの高いほうを先に対応します。 1人ですから。 そうせざるをえないのです。
特に転倒リスクがあり、「少し待っててもらえますか?」が通じない利用者さんが2人以上同時に動き出したときはどうしようもありません。
 

介護施設の作りと職員配置

私が現在勤めている職場は【ユニット型】で日勤帯は1フロア10人前後を職員2名で対応します。
夜勤帯は職員1名です。2名とはいえ2人の勤務時間とスケジュールは以下の通り
 
  • 早番1名(7時~16時)
  • 遅番1名(12時~21時)
  • 夜勤1名(21時~7時)
朝食~昼食前まで早番1名で対応し、昼食は遅番が出勤してきて対応。その間早番は休憩1h。早番が戻ってきたら、どちらかが入浴介助(13時‐15時)、どちらかがフロアの見守り兼PMの排泄介助、入浴後は遅番が休憩に1hいき、休憩が終わったら早番が帰宅し16時~21時まで遅番一人で夕食~就寝介助まで。
という感じです。
 
従来型の職員配置は正確には覚えていません…すいません。
しかし従来型は複数の職員で50人とかを一気に見る感じです。ちなみに夜勤は大体2‐3人です。
一人の時間がないため、従来型のほうが手厚いのか?と思ったかもですが、従来型は職員が1人になる時間こそ少ないものの、1度に見る利用者さんの人数が多いので目が足りません。
一人でなくても、隅々までは見切れないのでリスク順に優先順位をつけて対応しなければならないのは同じです。
 

お金を払ってるのに転倒させるの?という主張に対する介護職の回答

上記で説明した通り、介護士はある程度の危険予測は可能ですがすべてを予測するのは不可能だし、転倒リスクやその時の状況に合わせて平等に対応しています。
金払ってるんだから転ばせるな】というような主張をされる方もたまにいますが、ぶっちゃけ【あーはいはい。そういう人ね】くらいにしか思ってないですよ。
というのも、お金を払っているのは他の利用者さんも同じなので、お金を払っていることが特別扱いの理由には相当しませんし、グレードの高い居室やフロアにいてもお金がサービスの差に対しての金額じゃない限り特別扱いはどんなに要望されてもできません。
 
 

介護施設で行われている転倒事故対策

とはいえ、転倒を何度も繰り返すわけにもいかないため、現場の介護士は特別扱いせずにフロアの利用者さんが全員安全に過ごすには?を常に考え、実行し、改善しています。
例えば
ベッドからの転倒や転落が多い利用者さんは低床ベッド布団対応起き上がりセンサーを使う
車いすからの立ち上がりが頻回なら、職員の目の届きやすい場所に食席を変更したり、ご家族と話し合って車いすに鈴などをつけて、車いすが動いたら音ですぐわかるようにするなど
利用者さんの特徴に合わせた対策を講じています。
 

まとめ

転倒は介護施設での事故の一例ですが、どんな事故でも職員は起こそうと思って起こすことなんてないし、どんなに気を付けていても絶対防げると約束できるものはありません。
介護施設で働いた経験がないと職員の動きを想像するのは難しいかもですが、1人の職員が10人‐20人程度の利用者を一気に見なければならないという事実を知ったうえで施設入所を検討してほしいと思います。
 

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