こんにちは、るいぴです。
今回は

私は休憩が取れていないけど、他の施設はどうしてるの?
という疑問に答えます。
この記事を読むことで、他施設の休憩の取り方や自分の施設の現状に問題があるかがわかります。
私は、現在特養で働いている現役介護福祉士です。
私の勤めている特養も休憩なしの1人夜勤です。
ついこの間まで、会社と休憩なし残業代なしの現状について話し合っていました。
この記事では、話し合いの経緯や結論についても触れつつ、1人夜勤の現状や休憩の有無について解説します。
自分の職場の現状と比較しながら読み、自分のすべき行動はなにか具体的に理解していきましょう。
介護士1人夜勤の現状と休憩の有無

そもそも1人夜勤とは、フロアやユニットに職員が1人しかいない状態で行う夜勤のことを指します。
医労連(日本医療労働組合連合会)が公表している介護施設の夜勤実態調査によると、16h夜勤を行っている施設の5割以上でワンオペ状態との事でした。
私の現在の勤務先はユニット型の特養で、2ユニットに職員ひとり体制(20:1)で夜勤を行っています。
ユニット型の施設は大抵この体制ではないでしょうか。
1人夜勤の場合、休憩は実質不可能です。
休憩を取っている間、交代で見守りを行ってくれる職員いわゆる「休憩回し」が居れば別ですが、休憩回しがいない場合は休憩は取れません。
運良く、夜間は落ち着いているフロアに勤務することができればソファーで横になったり、座ってうとうとする時間が取れたりするかもしれません。
しかし、それは休憩とは呼べないものなのです。
労働基準法に休憩の定義が書かれていますが、そこには次のように記載されています。
第三十四条3項 休憩
使用者は、労働者の休憩時間を自由に利用させなければならない。
つまり、下記のような事はNGということです。

「落ち着いたら休んでいいけど、コールに気付けるように爆睡はしないでね」
休憩ならコールも取らなくていいし、爆睡OKでないといけません。
逆に、時間を自由に使えないのであれば、それは休憩とは呼べないということです。
コール対応などをした場合には、本来であれば残業代を払う、もしくは別の時間に改めて休憩をとるなどの策を講じなければなりません。
とはいえ、そんな対応をしている職場はおそらくほぼありませんよね。

ここまで読んで

と思いますか?
残念なことに、ワンオペ夜勤であるというだけでは違法とはなりません。
夜間ワンオペであっても、人員配置基準を満たしていれば問題ないのです。
次の見出しで夜勤の人員配置について詳しく解説します。
【施設別に解説】夜勤の職員配置要件

先ほど紹介した介護施設の夜勤実態調査では、およそ半数の介護施設でワンオペ夜勤を行っているとの調査結果がありました。
ワンオペ夜勤で大変な経験をしたことがある介護士さんも少なくないでしょう。

と思いたくなるような施設もあるかと思います。
では、夜間の人員配置基準を施設別に見てみましょう。
今回は次の4施設の基準を紹介します。
- 特養
- 老健
- グループホーム
- サ高住
特養
ユニット型:2ユニットに1名以上
従来型:25名の利用者に対し職員1名以上
ユニット型では特に、ワンオペでも問題なしです。
老健
利用者の人数にかかわらず、職員2名以上
老健の場合はワンオペ夜勤はありえません。
必ず2人以上の職員が必要です。
グループホーム
2ユニットに1名以上
GHも特養と同様、ワンオペ夜勤でも問題ありません。
サ高住
職員の配置義務なし
サ高住は夜間の職員配置義務はありません。
夜間に職員を配置しない場合は、緊急通報システムなどを導入して対応します。
つまり、仮にワンオペでも問題なしということです。
各施設の人員配置基準を見てわかる通り、ワンオペ夜勤でも違法性はありません。

と思っても人員配置基準を満たしているなら何もできないのです。
とはいえ、基準を満たしていても、別の観点から見れば違法である可能性もゼロではありません。
別の観点とは、労働基準法の観点から夜勤の体制をみることです。
次の見出しで労働基準法に照らし合わせた夜勤の体制について解説します。
介護の1人夜勤は違法じゃないけど…

これまでで解説したとおり、1人夜勤自体は違法じゃありません。
配置基準を満たしていればokです。
しかし1人夜勤だからといって休憩を取れないのは違法になります。
逆に、大半の時間をワンオペで過ごしていても休憩回しのポジションがあるなどして休憩がキッチリ取れていれば問題なしです。
そして、繰り返しますが休憩とは完全に自由な時間を指します。
コール対応だったり、記録だったり行動を強制されている場合は休憩にあたりません。
労働基準法では休憩時間について次のように定めています。
労働基準法第34条
労働時間が6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分
8時間を超える場合は、少なくとも1時間
これは、夜勤の場合も日勤の場合も同様です。
ちなみに、16h夜勤の場合も1h以上休憩が取れていれば問題ありません。
夜勤で休憩が取れなかった場合は、別途休憩を取るか残業代を支払うかの対策を講じてもらわなければ、労働基準法違反になる可能性が高いと言えます。
とはいえ、実際のところ介護現場ではワンオペ夜勤の場合、休憩なしの職場が多いように感じます。
私は今年、現在の職場2年目ですが、今まで一度も夜勤中に休憩を取れたことはありません。
もちろん、残業代もなしです。
そこで、会社に

と言ってみました。
次の見出しでその経緯と、結果を解説します。
【1人夜勤&休憩なし】施設に改善を求めた結果

まず、結論からいうと、私の職場の回答は次のとおりでした。

施設の見解を聞くことになった経緯は正直覚えていないのですが、会社の社労士さんと以下のようなやり取りをしました。






そして数週間後の回答が次のとおりでした。

それに対して

と聞きました。
すると

なんじゃそりゃ。
と思いました。
その時はぶっちゃけ、クソだなと思いました。
そのうえ私の職場は1フロア2ユニットなので、休憩回しを雇わず、現状の人数で休憩を回すとすると階を跨がなければなりません。
階を跨いで休憩を回せば、センサーコールにはほぼ確実に間に合わないでしょう。
その事も上司に進言しましたが、結局は「今すぐに休憩回しの人員を雇うことはできないから」との理由で階を跨いだ交代制で休憩を取ることになりました。
ぶっちゃけ、残業代を支払う事をどうしても回避したいのかなという印象です。
しかし、それが良いとも悪いとも言えません。
どちらかを優先すればどちらかを諦めなければならないので。
今回の話はこれで決着です。
結局、労基には行っていません。
その理由は、この職場よりいい給与で働けそうなところが近隣にないからです。
労働条件だけみれば、しっかり証拠を揃えて労基に行けばおそらく今までの残業代(全てではないけど)を法人に請求することは可能だと思います。
しかし、そこまでするとおそらくこの職場を辞めたくなります。
それまでの労力と今貰っている年収と近隣の施設の給与や労働条件を比べたとき、今の私にとって1番メリットがあるのはこの職場に残ることでした。
だから、労基に行くのは止めました。
とはいえ、法人の回答は正直納得できないしモヤモヤは未だにあります。
しかし職場の回答を聞けたのは非常に良かったと思っていますし、いい機会だったかなとは感じています。
職場の現状も、それに対する回答も、おそらく各法人それぞれ異なるでしょう。
ここまで読んでみて、

と気になった人はぜひ一度、会社の人と話し合いの機会を持ってみて下さい。
その回答を聞いた上でどうするべきか、その選択肢について次の見出しで解説します。
1人夜勤について施設の方針が判った後取るべき行動3つ
ワンオペ夜勤休憩なしについて、職場の見解が判ったら、その後取るべき行動は次の3つに分かれます。
- 労基に訴える
- 転職する
- そのまま働く
ぶっちゃけどれでもOKで、自分がどうしたいかによります。
それぞれ、メリットデメリットを解説しますが、自分の状況と自分の気持ちとを比べて後悔のない選択をしてください。
労基に訴える
労基に訴える場合は、キッチリ証拠を揃えて、どういう訴えをしたいのかを明確にしてから行動に移しましょう。
労基には、何十・何百もの相談が寄せられているはずです。
曖昧な訴えではその中に埋もれてしまい、着実に動いてもらえません。
労基に行く際は次の点を明確にしておきましょう。
- 訴えは何?(例:夜勤の休憩がない)
- 証拠は?(例:タイムカード、職員の署名等)
- どうしてほしい?(例:休憩が取れていない分の残業代の請求をしたい)
労基に訴えかける場合、個人的な問題だけでは済みません。
例えば今回のような、休憩が取れていないという用件の場合、証拠が集めづらいです。
休憩の度にタイムカードを切る職場はあまりないないでしょうし、1人夜勤の場合は証明できるものが少ないです。
その場合、夜勤中の記録や他の職員も同じように休憩がないという署名などが必要になってくることもあります。
つまり、他人を巻き込むのです。
他人を巻き込むなという事ではなく、しっかり調べて、準備して臨むべきということです。
働いた分のお金が手に入る
✔デメリット
時間と手間を要する
転職する
さっさと見切りをつけて転職する方向に舵を切るのもアリです。
ワンオペ休憩なしの夜勤をしている施設は多いですが、調査の統計上はちゃんと休憩がとれる施設も同じくらいあります。
夜勤の休憩の有無は実際働いたみないと解らないところも多いので、できれば派遣で数カ月働き、内部を観察→問題なければ常勤へ転向がベストです。
面接で確認するという方法もありますが、ハッタリを言われる可能性もゼロではないことを留意しておいた方が良いでしょう。
私は派遣→常勤の流れで今の職場に入ってるので、正直夜勤の休憩の現状についてはある程度わかっていました。
しかし、1年以上休憩が取れないまま体制を変える様子がないことから、今回の話をしてみようとなんとなくタイミングを見計らっていました。
私が今の職場で常勤になった理由は、お金です。それ以外ありません。年間休日も少ないし、夜勤の休憩もなかったし、挙げれば不満は色々とあります。
とはいえ、全てにおいて不満のない職場など存在しません。
自分が職場に求める条件はなにか、またその中で優先順位はどうかを明確にして職場を選びましょう。
休憩を取れる職場に行けば働き損から抜け出せる
✔デメリット
常勤の場合、1年目はボーナスが下がるので年収が一時的に下がる(就職祝い金等が出るエージェントで緩和可能)
そのまま働く
最後は労基に訴えもせず、転職もせずそのまま働き続ける方法です。
これは、今の職場の現状と自分の求める労働条件・環境を良く比較して決断すべきです。
どのように行動するにせよ、状況の正しい理解と条件の比較が大切です。
どう行動すれば、自分の優先する条件の恩恵を最大限に受けられるかを考えて動きましょう。
動き始めてから

ではもったいないです。
行動を起こさないのでラク
✔デメリット
働き損の状態は続き、身体の負担も減らない
繰り返しですが、そのまま働くのは、他の職場に移ったら得られないメリットが今の職場にある場合に限ります。
自分の労働条件と求めるものを吟味して決断してください。
まとめ
1人夜勤は責任も大きく、精神的にも体力的にも疲れます。
しかし、人員配置基準を満たしていればそれだけでは違法とは言えません。
休憩を完全な自由時間にできていないのが問題なのです。
休憩は、労働基準法により8時間を超える勤務の場合は1h以上の休憩を取ることと定められているため、それができていなければ、残業代を請求できる可能性もあります。
とはいえ、

と感情的に訴えるのは時間の無駄になりかねないので注意が必要です。
労基に行く場合は、しかるべき準備をしたうえで、冷静に対応しましょう。
労基に行く以外にも、転職等の選択肢があることを忘れず、自分にとってベストな行動がとれるようにしていきましょう。