こんにちは、るいぴです。
今回は次のような疑問に応えます。
私は、現在も現役の介護福祉士として現場で働いています。
今は、特養の常勤として勤務していますが、過去に1年半ほど派遣をしていた時期もありました。
この記事では、派遣と正社員の違いをはじめとして派遣介護士として働くメリット・デメリット、派遣の仕組みと種類の解説などを紹介します。
また、私自身が派遣介護士として働いた感想も掲載します。
現在、派遣介護士という働き方を検討している人や派遣介護士として働き始めたけど不安や疑問を持っているひとなどには参考になるはずです。
違いをしっかり理解した上で自分にとってメリットのある働き方ができるようになるとお得に仕事ができますよ^^
派遣と常勤との違い【正社員・パート・アルバイトと比較】

まずは、派遣と正社員の違いについて解説します。
派遣と正社員は次の4つのポイントにおいてそれぞれ様々な違いがあります。
- 雇用主
- 雇用形態
- 働き方
- 雇用期間と安定性
それぞれの項目において、どのような違いがあるか詳しく見ていきましょう。
雇用主
一番の違いは、雇用主が異なるという点です。
正社員は勤める施設(その施設を運営する法人)が雇用主となり、直接労働契約を交わします。
いわゆる直接契約・直接雇用と呼ばれるもので、給与や賞与は働いている施設から直接貰います。
パートやアルバイトも直接雇用のひとつです。
一方で、派遣は少し仕組みが異なります。
派遣の場合、派遣社員の雇用主は派遣会社になり、給与が支払われるのは派遣会社からです。
派遣は派遣会社に雇用され、派遣先で働くという仕組みなので、派遣先の施設とは雇用関係はありません。
そのため、常勤職員さんとは給料日や休日の規定、福利厚生などが異なります。
派遣先の施設で給料日だったとしても、派遣で働いている場合は関係ないので注意が必要です。
給与や休日の規定、福利厚生は全て雇用主の規定に準ずるものなので、しっかり違いを理解しておきましょう。
派遣で働く場合、給料に関すること、休みに関すること、福利厚生について疑問や不満がある時は必ず派遣会社に相談するのが一般的です。
給与形態
正社員はたいていの場合月給制や年俸制で働きます。
一方で、派遣やパート、アルバイトの場合は時給で働くことが多いでしょう。
さらに、派遣はボーナスがない事がほとんどです。
直接雇用の正社員やパートはボーナスがある場合が多いですが、派遣は賞与なしのところがほとんどなので注意しましょう。
直接雇用でも、アルバイトの場合はない事が多いので気になる場合は勤務先の施設に確認しておくといいかもしれません。
とはいえ、正社員で働いていてもボーナスはほとんど出ない・出ても少額という介護施設も多くあるので、微妙なところではありますね。
常勤か派遣かで悩んでいる場合は、常勤の場合のボーナスを確認してボーナスの額を判断基準のひとつにしてもいいかもしれません。
働き方
正社員の場合は、基本的に早番・遅番・日勤・夜勤などすべての勤務をこなす必要があります。
日勤常勤、夜勤専従の常勤を雇っている施設もありますが、求人は少ない気がします。
一方で、派遣やパート、アルバイトの場合は曜日固定・勤務固定など様々な働き方が可能です。
例えば、
- 土日は育児と家事をしたいから必ず休みにしたい
- 夜遅いと旦那さんのご飯が作れないから早番だけやりたい
というような要望も派遣なら簡単に叶います。
パートやアルバイトでもこのような勤務ができる施設もありますが、あまり制約が多いと面接の時点で断られる可能性もあります。
プライベートを優先しつつ働きたい場合は派遣で働いた方が求人数が多く選択肢が広がる場合も多いので充分に検討すべきです。
雇用期間と安定性
最後の違いは、雇用期間と安定性です。
正社員は一度雇用されると基本的には定年まで働くことができます。
むしろ、日本で正社員の場合、辞めさせることの方が難しい場合が多いでしょう。
そのため、安定(雇用が保たれやすい)という点においては正社員に軍配が上がります。
一方で派遣の場合、雇用期間に制限がある場合があります。
派遣のデメリットのところでももう一度紹介しますが、派遣は3年以上ひとつの派遣先に居続けることはできないという決まりがあります。
そのため、最長でも3年しか雇用が保たれないという面があります。
とはいえ、今の介護業界は超絶売り手市場です。
しばらく働いた派遣先での就業が終わっても、また別の派遣先は即見つかるので心配は全く不要です。
私も、派遣で働いていた際は何度か派遣先を変えましたが、今までの派遣先を辞めた次の日から別の派遣先での勤務が始まるというスケジュールでの働き方もできたくらいです。
もちろん、逆に、少し間をあけてから別の派遣先に行くことも可能です。
いま、介護の求人は沢山ある状況なので、労働者であるあなたが働きたいように働ける環境にあるといえます。
介護士は派遣切りの心配が不要な理由を解説【求人は速攻で見つかる】
正社員と派遣介護士の違いはこんな感じです。
私も、初めて派遣で働いた時は違いもなにも分からず、働き始めてから色々と調べて派遣会社に確認しながら少しずつ知っていきました。
しかし、派遣にボーナスがない点などもっと早く知りたかったなぁと思うこともあったので、派遣で働く予定のある人は、不安なところは全て派遣会社に確認しておくのがおすすめです。
次の見出しでは派遣のメリットについて解説します。
派遣で働くうえで、自分の働きかたのメリットとデメリットを理解しておくことは非常に大切です。
メリットとデメリットを正しく理解しておくことで、そのメリットを最大限に活かした働き方やデメリットを最小限にする行動が取れるようになるはずです。
しっかりと確認しておきましょう。
介護派遣のメリット

派遣で働くメリットは次の8つです。
- 時給が高い
- サービス残業がない
- 会議や委員会がない
- 希望休が取りやすい
- 働き方がカスタマイズできる
- 常勤に転向できる可能性がある
- 手取りが上がるかも
- 辞めやすい
実際に派遣で働いてみて感じたメリットを中心に紹介していきますので、かなり参考になるのではないかと思います。
時給が高い
派遣介護士の時給は直接雇用のパートやアルバイトに比べて高いことが多いです。
私は首都圏の特養に勤めていますが、パートは無資格で時給1050円~です。
一方で派遣は無資格でも1200円~くらいが相場でしょう。
私が勤めている特養も派遣さんが多くいますが、その最高時給はおそらく1800円ほどです。
1800円貰っている職員はさすがに無資格ではありませんが週5勤務日勤のみフルタイムの場合で1ヶ月の収入を比較すると…
時給1050円の場合
1050×8(時間)×20(1ヶ月20日勤務の計算)=168,000円
時給1200円の場合
1200×8×20=192,000円
時給1800円の場合
1800×8×20=288,000円
時給1050円と時給1800円で1ヶ月働いた場合、12万円の差があります。
時給1050円と時給1200円でも1ヶ月で24,000円の差があり、年間にするとその差は288,000円にもなります。
同じ無資格でも、働き方が変わるだけでこれほど所得の差が開きます。
サービス残業がない
サビ残の有無は、職場によるところが大きいですが、正社員の場合残念ながらサビ残がある介護施設は多く存在します。
私が勤める特養は日勤帯のサビ残は一切ありませんが、夜勤の休憩が無い分の残業代は支給されません。
夜勤をやるたびに1h以上は毎回サビ残状態です。
介護業界は、常勤でサビ残がないのは珍しいくらい、正社員のサビ残が横行していると感じます。
しかしながら、派遣となると話は180度変わってきます。
派遣は、サビ残は一切ありません。
夜勤でも、日勤でも同様です。
それどころか、残業自体がほとんどありません。
派遣の時給は派遣会社の利益に直結するため、サビ残なんてさせよものなら派遣会社が黙っていません。
絶対に働いた分の時給はしっかり過不足なく支払って貰えますし、派遣は時給自体が高いので派遣先の施設はあまり派遣に残業をさせたがりません。
これらの理由により、派遣はめったに残業が無く、サビ残は一切ないという超ホワイトな労働環境で働くことが可能です。
会議や委員会がない
派遣は、委員会や会議、行事の参加を強制されることはありません。
常勤で働いていると、委員会の参加が強制だったり、会議の為に休日出勤したりという事があるかと思います。
正社員の場合、フロアの業務だけでなく委員会や行事の準備、家族の対応、事故の謝罪連絡、会議、研修など上げればキリがないほどの仕事があります。
しかし派遣の場合、行う業務はフロア業務のみです。
シーツ交換をしたり、食事や排泄の介助をしたり…いわゆる介護業務全般ですが仕事内容はこれだけです。
余計な業務がないので、仕事に集中しやすいですし、プライベートとのメリハリもつきやすくなるというメリットもあります。
希望休が取りやすい
派遣は正社員よりも希望休が通りやすいです。
そもそも、私個人の感覚として
と考えているのですが…。
実際自分ではたらいてみて、派遣は休みの融通が効きやすいというのもメリットのひとつだと感じました。
毎月、シフト作成の時期になると希望休を募られますが、職場によって提出できる希望休の日数が決まっています。
例えば、その職場で本来提出できる日数が2日だとしても、派遣の場合の方が3日出そうが4日出そうが通り易いです。
毎月沢山の希望休を申請していたらさすがに言われますが、たまに規定をオーバーするくらいなら何の問題も無く通ることの方が多いです。
私は、今シフトを作る立場にいますが、派遣さんの休みはほぼ確実に通します。
仮に希望休を通さずそれが原因で辞められたとしたら、困るのは確実に施設側だからです。
派遣は辞めて次にいけば問題なしなので、この辺は立場的にも派遣の方がラクであるといえそうです。
働き方がカスタマイズできる
正社員との違いでも紹介しましたが、派遣の大きなメリットのひとつに働き方がカスタマイズできるというものがあります。
派遣は日勤のみ、夜勤のみ、土日休み、早番のみ、遅番のみ、週4勤務など様々な働き方が可能です。
プライベートの予定や希望の収入に合わせて、負担の少ない働き方ができるのは大きな魅力ですね。
常勤に転向できる可能性がある
何度も言いますが、介護業界は超売り手市場です。
常に人手不足の現場。
だからこそ、派遣求人も世の中にあふれています。
さらに、介護業界は敷居が低いためか変な人も面接に多く応募してきます。
そして、それを見抜けず採用し正社員登用してしまうことも少なくありません。
遅刻魔やコミュニケーションが下手くそな人など…
Twitterで介護士のアカウントが「お願いだから普通に出勤してきて普通に仕事ができる人来て…」みたいなツイートをしてるも見かけます。
派遣で働き、その施設の仕事の流れや利用者さんの特徴、人間関係などを把握している状態で常勤に転向してくれれば、施設側としても願ったり叶ったりという場合もあるのです。
実際、私は派遣で働いていた特養で常勤になり今に至ります。
派遣で働いていて、長く働いてもいいかなと感じる場合や常勤に転向することで自分にメリットがあると感じる場合は派遣先の上司にこっそり「常勤への転向ってアリですか?」と聞いてみましょう。
派遣を入れている時点で人手不足てあることが多いので、あなたの働き方や評判に問題が無ければ常勤への転向もたいていは可能なはずです。
手取りが上がるかも
介護業界は、働く場所によって給与の差が激しいのが現状です。
現在、正社員で働いている人でも、賞与が極端にすくない場合などは年収ベースで考えても派遣の方が収入が上がることもあります。
さらに、月々の手取りだけで考える場合は派遣の方が上がる人もいるはずです。
特に、首都圏で働くひとは手取りが上がる場合も多いでしょう。
辞めやすい
派遣は、数ヶ月毎の更新(通常3ヶ月毎が多い)で仕事をします。
そのため、もし働いてみて
と思ったら、数カ月ですぐ辞めることもできます。
私は派遣で働いていた際、初回の更新で
と断った経験もあります。
その派遣先は結局2ヶ月で辞めました。
正社員になってしまうと、入ってすぐ辞めるなんて周りの目が気になるな…という思いがある人もいるでしょうし、引き止められることも多いでしょう。
しかし、派遣は契約更新しなければその派遣先を去らざるを得ないので、辞めるのはとても簡単です。
辞めるのが簡単な雇用形態なので、一旦派遣で入って自分に合うか吟味し、その後良さそうなら常勤に転向するという方法もおすすめですよ。
以上が派遣介護士として働く主なメリットになります。
しかし、良いところばかりに注目して、後からデメリットに気づいて後悔したということがないように、デメリットについても確認しておきましょう。
介護派遣のデメリット

派遣のデメリットについて解説します。
どんな働き方でも、どんな職種でも長所があれば短所もありますよね。
両方を把握し、自分のライフスタイルや求めるものと比較検討しましょう。
派遣として1年半働いて、実際に感じたデメリットは次の6つです。
- ボーナス(賞与)がない
- 出世がない
- 同じ施設に長く勤められない
- 税金が普通徴収になる
- 派遣に厳しい態度の職員もいる
- 派遣会社によって対応に差がある
それぞれ詳しく説明します。
ボーナス(賞与)がない
給与面で派遣に感じる一番のデメリットはボーナスがない事です。
月々の手取りは、正社員に比べると派遣の方が多くなることが多いですが、ボーナスがない分、年収で換算すると派遣のほうが低くなることは少なくありません。
とはいえ介護の場合、正社員でもボーナスが少ない職場もかなり多いです。
派遣と常勤でどちらの働き方をするか悩んでいる場合は、自分の自宅から通える範囲の求人をいくつかピックアップして派遣と常勤の場合とで年収を比較してみることをおすすめします。
常勤になって色々な仕事をこなしているのに、
と後から気付くとショックですよ…
出世がない
派遣は、資格を取得するなどすれば昇給はありますが、昇進はありません。
どれだけ長く働いていても、役職はつかないので、後から入って来た若い子が上司に…ということも充分あり得ます。
ある程度働いた後は、部下を持ちたい・指示を出す立場になりたいなどの気持ちがある場合は向いていない働き方かもしれません。
しかし、派遣から常勤に転向するのは容易です。
とりあえず派遣で働いて、役職がほしいと思うようになってから正社員登用を目指すというのもいいですね。
同じ施設に長く勤められない
派遣は、同一の派遣先に3年以上在籍できないという決まりがあります。
通称3年縛り・3年ルールというやつです。
3年経つタイミングで、その施設で常勤になるか、また新たに派遣先を探すかを選択することになります。
このため、ひとつの職場で長く勤めたいと考えるひとには向かない働き方です。
税金(住民税)が普通徴収になる
今まで正社員だった人が派遣に切り替える場合などに特に注意してほしいのが、派遣の場合は住民税が給料から天引きされないよ!ということです。
正社員の場合は、所得税と住民税が給与から天引きされるので、特に税金の支払いを気にしなくても問題ありません。
手取りを全額自由に使うことができます。
しかし、派遣の場合は住民税が普通徴収(天引きでなく自分で納めること)なのでその分を加味して貯金等をしておかなければなりません。
恥ずかしい話ですが、私はこのことを知らずに正社員→派遣になったので後に税金が払えずとても苦労しました…
住民税は基本的に1年を4期に分けて納付するので、結構まとまった金額が必要です。
住民税は前年度の収入から算出されます。
派遣は、複数収入源があったり働かない期間が発発生するなど働き方がまちまちなので派遣会社が前年度の年収を把握しづらく、管理できないため、天引きにできないというのが主な理由です。
派遣に厳しい態度の職員もいる
派遣先にもよりますが、一部の正社員は派遣に対してあまり良い印象を持っていない事もあります。
派遣は、業務の幅が狭いわりに給料が高いのでなにかと「派遣のクセに」と言われる傾向も否めません。
とはいえ極一部の職員ですし、両方経験した私から言わせれば「だったらお前も派遣になれよ」って感じです。
そういう職員は、色んな事に対して文句は出るけどそれを解消するための行動は一切しない口だけの人が大半なので、言わせておけばOK。
基本的には相手にせずにいきましょう。
それでも、不快で業務に支障がある場合などは、派遣先を変えるなど派遣会社に相談して対策を打ちましょう。
派遣会社によって対応に差がある
派遣だけでなく、正社員にもいえることですが、会社によってサポート体制などに差があります。
例えば…
- 求人を探す段階でマッチング率の高い求人をすぐに紹介してもらえるかどうか
- 労働条件の交渉を積極的に行ってくれるかどうか
- 資格取得の支援があるかどうか
etc…
様々な面で会社ごとに違いがあります。
どの会社が良くて、どこが悪いなどは一概には言えませんが、自分と相性のいいコンサルタントさんがいる派遣会社を見つけることができると、ストレスなく仕事ができます。
以上が派遣のデメリットになります。
デメリットは複数ありますが、解決策がある場合がほとんどです。
デメリットはもうデメリットとして受け入れて、自分にあった解決策を用意するという考え方ができると、ストレスを軽減しながら働くことができるのではないでしょうか。
介護派遣の仕組みと種類

次に、派遣の仕組みと種類についての解説です。
あなたが派遣として働く場合、あなたと派遣会社との間に雇用関係が成立し労働契約が結ばれます。
あなたは、派遣会社に所属し、派遣先の介護施設で労働を提供するというカタチになります。
そのため、あなたと派遣先の間には雇用関係は成立しておらず、派遣会社を通さない労働契約は存在しません。
派遣先から「この会議には全員出席だから休日出勤してね」とか「夜勤に○回以上入ってね」などと言われても従う義務は無いのです。
もし万が一要求されたら、一度派遣会社を通しましょう。
派遣は、派遣会社に所属しているので、労働に関するルールは全て派遣会社が把握している必要がありますし、派遣会社との間で交わされている契約書に書かれていない業務を行う義務は発生しません、
さらに、派遣は次の3タイプに別れており、それぞれ雇用に関する特徴が違います。
- 登録型派遣
- 常用型派遣
- 紹介予定派遣
自分の目指す働き方がどこにあたるのか、確認しておきましょう。
登録型派遣
派遣会社に登録し、求人の紹介を受け、派遣先で仕事を行う。
いわゆる、普通の派遣の働き方です。
派遣先で勤務している期間のみ、派遣会社との雇用関係が成り立っています。
求人数も一番多く、派遣求人のほとんどはこのパターンで同じ派遣先に居られるのは3年までです。
常用型派遣
派遣会社の正社員や契約社員になって、派遣先に配属されて働くタイプです。
登録型とは違い、派遣先に勤務していない間も雇用関係は成立しており、派遣先が断らない限り、同じ派遣先に3年以上居ることも可能です。
しかし、派遣会社の社員といっても営業担当やコンサルタントとは異なり、ボーナス等の適応のされ方が違う場合があるので、よく契約内容を確認してから働き始めたほうがよいでしょう。
私の職場にも、登録型派遣で働き始めたものの、3年経過し、常用型に切り替えて居続ける人が何人か居ますが、ボーナスも適応されず、ずっと変わらない時給で働いているので、果たしてメリットがあるのか疑問です。
紹介予定派遣
派遣先で正社員として働くことを前提とした働き方です。
始めは派遣として働き、派遣先とあなたの合意があれば途中から正社員に切り替えられます。
派遣の期間は6ヶ月までですが、3ヶ月程度で派遣から正社員に切り替えることが多いように思います。
正社員として働きたいけど、
という人は紹介予定派遣→正社員の流れもアリですね。
派遣介護士の時給が高いワケ

続いて、派遣介護士の時給が高い理由を解説します。
直接雇用のパートなどの場合、首都圏でもその時給は1050円〜くらいが相場です。
高くても1200円ほどの肌感覚です。
一方で派遣の場合は無資格でも1200円スタートでした。
直接雇用に比べて、派遣の時給が高くなる理由は主に次の2つです。
- 必要な時期に必要な期間だけ雇うことができるから
- 採用コストの削減に繋がるから
それぞれどういうことなのか、説明していきます。
必要な時に必要な期間だけ雇うから
派遣は、人員不足の時期だけ早番だけほしいなど時期や時間に合わせて期間限定で雇うことができるため、施設側のメリットも大きいのです。
直接雇用の場合、解雇を簡単にできないので雇うのも慎重になりますが、派遣はいらないと思えば契約更新しなければいいいだけなので、気軽に採用できるというメリットもあるかもしれません。
また、採用までに時間を要さないのも、施設側には大きなメリットでしょう。
介護施設は人員配置基準が国で定められており、それを下回ると様々な支援や税制優遇などが受けられなくなります。
それを避けるために、早急に人員補充をしたい場合も派遣は重宝するはずです。
採用コストの削減に繋がるから
直接雇用で職員の募集をする場合、 募集のために広告打ったり、求人サイトへの掲載料を払ったりと様々なコストがかかります。
さらに、このようなコストをかけても採用に繋がらないこともあります。
派遣であれば、派遣会社が人材を確保してくれているので、コストをかけたのに人が来なかったという事態が起こりません。
ただ、長期にわたり多くの派遣を雇うと多くのお金が必要なので、長期的にみると、直接雇用の職員を増やしたいと考える施設が多いでしょう。
どんな施設が派遣介護士を利用する?

派遣を使う施設は、次のような状況であることが多いでしょう。
- 人員不足
- ケアを手厚くしたい
人員不足
常勤だけでシフトを回しきれない場合、早急に人員補充をする必要があるため、派遣を雇うことが多いです。
常勤は募集してから実際に働き始めてくれるまで期間が必要な場合が多いので、すぐに必要な場合は派遣を雇う場合もあります。
そのため、派遣で就業する場合人手不足の施設が就業先になることも珍しくありません。
派遣には即戦力を求めると考える常勤職員が多いのも、このためです。
ケアを厚くしたい
運営資金に余裕のある施設は人員不足ではないけれど、ケアの質を高める目的で人員補填のため派遣を利用するということもあるようです。
派遣は、即戦力を求められると言いましたが、無資格・未経験可の求人があるのも事実です。
もしあなたが、無資格・未経験の状態から派遣介護士を目指す場合は、このような施設が狙いめです。
求人を探してもらう際、ゆったりした雰囲気のところがいいです。と要望をだしてみましょう。
派遣介護士として働いてみた感想

私は、過去には1年半ほど派遣で働いた時期がありますが、その時の感想は
でした。
派遣になる前は、認知症の専門病院に常勤看護助手として勤め、日々BPSDと格闘しながら夜勤をこなし、委員会や研修にも参加し…という日常を送っていました。
給与はMaxで手取り20万円いかないくらい。
初月は夜勤もできず手取り13万円でした。
一方で、派遣になってからはMax時給1600円、月給は夜勤込みで手取り30万円でした。
仕事内容も、介護業務全般ではあるものの、委員会や会議、研修、行事等の参加義務は一切なく、現場の仕事だけに注力して30万円です。
常勤だった頃と比較して、業務の量は減ったにも関わらず、給料は大幅にアップしました。
さらに、病院で働いていた時と派遣を始めた当初は無資格でしたが、派遣会社の制度を使い、無料で実務者研修を受講することができました。
また、働きながら無理なく介護福祉士まで取得しました。
じゃあ、なぜ派遣をやめて常勤にまた戻ったの?
と思うかもですが、この理由は単純に
です。
SNSで介護の発信をしていると、「介護職がお金なんて求めるな」とたまに言われたりしますが、生業として介護に従事している以上はお金を求めて当然と考えて行動してきました。
その結果、常勤→派遣→常勤というキャリアになったのです。
常勤に戻り、やはり仕事内容や責任は増えたので、今でもできることなら派遣に戻りたいと思うことも多いのが正直な感想です。
次の見出しでは、私が実際に働いてみて感じた派遣に向いている人、向いていない人を順に紹介していきます。
それぞれにメリットデメリットが存在するので、仕事に求めるものや、ライフスタイルにあわせて選択していくと良いでしょう。
派遣介護士に向いている人

実際、派遣という働き方を経験して派遣に向いている人そうでない人が明確にわかりました。
ここでは、私が個人的に感じた派遣に向いている人・向いていない人をそれぞれ一覧で紹介していきます。
まずは、派遣に向いている人です。
以下のような思いを持っている人は派遣が向いているはずです。
- 効率的に稼ぎたい
- 役職は要らない
- サビ残で疲弊している
- いろんな施設で経験を積みたい
効率的に稼ぎたい
派遣は、委員会や会議等の業務が一切なく現場の仕事に注力できます。
そのわりに時給もしっかりもらえるので、業務の量と給与を天秤にかけるととても効率が良いです。
常勤の業務が多すぎると感じている人や割に合わないと感じている人は派遣介護士という働き方を一度経験してみるのもおすすめです。
役職は要らない
派遣はどれだけ長く同じ職場にいたとしても、役職がつくことはありません。
そのため、役職は要らないから自分の仕事だけしっかりやってそれなりの給料が欲しいひとや気軽に働きたい人には向いている働き方といえます。
私は派遣を始めて1ヵ月目に
と感じました。
もちろん、派遣だから適当に仕事をしても許されるという事ではありません。
任された仕事はプロとして完遂しますが、任される仕事の幅は広くなく、責任を要求される業務(家族対応など)が全くないという意味です。
それなりの給料とそれなりの仕事でokという方にはおすすめできる働き方といえます。
サビ残で疲弊している
現在常勤で働いており、サビ残で疲弊しているという場合はマジで派遣をおススメします。
記事の上部でも説明しましたが、派遣はサビ残は絶対ありません。
残業は稀にありますが、キッチリ時給が発生します。
個人的に介護業界は、サビ残が横行していると感じており、こんな働き方させられているなら派遣の方がいいのになぁと感じる職場が沢山あります。
タダ働きで給料もやりがいも搾取されてるな…と感じているなら、一度派遣を検討してみてください。
色んな施設で経験を積みたい
派遣は、短期間で働く場所を変えるのがとても容易な雇用形態です。
そのため、様々な施設で経験を積みたい・どこが自分に向いているのか見極めたいなど
ひとつの職場に長く居たくない人には適した働き方といえます。
派遣で色々な施設を経験し、自分に合った職場や学びたいことが決まってから常勤になるというのも良いですね。
派遣介護士に向いていない人

今度は逆に派遣に向いていない人を順に解説します。
- 役職者を目指したい
- ひとつの施設で長く勤めたい
- 様々な業務に携わりたい
言ってしまえば、派遣に向いている人で紹介した条件と真逆の人ということです。
役職者を目指したい
派遣は役職がつく事は無いので、役職について給与を上げたい・部下を持ちたいなどの気持ちがある人には向いていません。
ひとつの施設で長く勤めたい
派遣で働くと3年を目途に派遣先を変えなければいけないことがほとんどです。
そのため、ひとつの職場に長く勤めたい・人間関係の再構築や新しく仕事をおぼえるのが億劫だというひとには向かない働き方と言えそうです。
様々な業務に携わりたい
派遣は介護業務全般に関わりますが、介護現場の仕事のみで完結します。
そのため、シフト作成や担当者会議への出席、行事の企画や立案など様々な仕事に携わりたい人は派遣ではなく、常勤で働いた方が仕事のやりがいを感じながら働くことができるでしょう。
以上が、派遣に向いている人・向いてない人の一覧になります。
幸いな事に、介護は常勤でも派遣でも求人は沢山あります。
自分はどんな働き方がしたいかな?としっかり自己分析しながら比較検討してみましょう。
派遣介護士に対する不安に回答

派遣介護士を経験した立場から派遣介護士に対する不安や不満に回答していきます。
今回答える質問は次の6つです。
- 無資格・未経験でもなれる?
- 派遣介護士の仕事内容
- バックレたいときの対処法
- 更新したくないときは?
- 時給交渉のコツ
- 派遣会社が中抜きしてるから常勤の給与が低い
気になるものがあったら、目を通して検討材料にして下さい。
無資格・未経験でもなれる?
常勤職員の多くは、無資格未経験で派遣で来られても困るという意見を持っているのは事実です。
とはいえ、無資格未経験可の派遣求人は沢山あります。
現場が派遣に即戦力を求めるのも理解はできますが、求人自体は多く存在するので、やったもん勝ちです。
私が派遣をやりながら実務者研修を受けている時に、無資格未経験で派遣を始めたという人が一緒に受講していました。
無資格未経験で派遣で働くことは充分可能です。
ただ、無資格未経験で派遣として働く場合は、無資格・未経験の人のサポートが充実しているもしくは無資格・未経験可の求人数が多い派遣会社を選ぶ必要があります。
ちなみに無資格未経験の場合はかいご畑 が個人的にはイチオシです。
私はかいご畑 でタダで実務者研修を取らせてもらってので、これから資格を取りたいと考えているひとには特に良いと思っています。
派遣介護士の仕事内容
派遣ってなにするの?普通の介護士となんか違うの?と思う方もいるかもなので、改めて説明します。
派遣介護士の仕事内容は、基本的に常勤介護士と大差ありません。
食事や排泄、入浴、更衣などの介助やリネン類の交換などです。
ただ、派遣の場合は介護現場の仕事のみで完結するので本当にこれだけ。
書類の作成や会議の出席、研修の参加強制はありません。
仕事の量で言えば、常勤より遥かにラクです。
バックレたいときの対処法
バックレたくなったら以下の記事をどうぞ。
【バックレたい】派遣介護職を途中で辞めるとこんな感じ【辞めてok】
バックレはいけないことだけど、病むほど嫌なら、自己責任でバックレるのもナシではないいですよ。
ただ、デメリットももちろんあるので全て分かったうえで自分で決めましょう。
という話です。
更新したくないときは?
更新したくない時は更新しなくて大丈夫です。
私も初回の更新をせず、2か月でやめた経験もあります。
気まずいけど、全然いけますよ。
その時の派遣会社への伝え方や派遣先での乗り切りかたなども以下の書いています。
時給交渉のコツ
時給交渉に関してはコチラをどうぞ。
【派遣介護士】時給交渉したら給料が5万上がった話【実体験です】
時給交渉を頑張ったら、最終的に月収5万円アップに成功した経験があり、そのことについて詳細を書きました。
時給交渉にはタイミングや伝え方にコツがあるので、一度目を通して是非実践してみて下さい。
派遣会社が中抜きしてるから常勤の給与が低い
派遣を勧めると、常勤介護士から「派遣会社がマージンを多く取るから施設の財政が圧迫されて常勤の給料が上がらないんだ!」という意見を言われたり、見かけたりします。
労働者の立場なら、給料が良い方、安定した方など自分の都合の良いように選べばいいし、介護施設を経営している立場なら常勤を集められない施設が悪いでしょ。と思うのです。
それぞれの事情があるでしょうし、この一言では片づけられないことかもしれません、私の理解が足りないところもあるでしょう。
とはいえ、派遣という働き方が存在し、派遣と常勤と様々な働き方がある中で自分に合う方、都合の良い方を柔軟に選択していけばよいのではないか?と考えます。
派遣会社登録~就業までの流れ

派遣に登録してから、働き始めるまでの流れを解説します。
大まかな流れは以下の通り。
- 公式サイトに飛ぶ
- 求人の紹介を受ける
- 派遣会社の人と顔合わせ(採用面談)に行く
- 就業開始
公式サイトに飛ぶ
公式サイトに飛ぶと、氏名・住所・電話番号など必要事項の入力を求められます。
全て入力して登録を完了させましょう。
すると、その日のうちか次の日(おそらく土日は除く)に派遣会社から電話がかかってくるので出てください。
その電話では、学歴や今までの職歴、保有資格、働き方の希望などをヒヤリングしてくれます。
ココでどれだけしっかり要望を伝えられるかで、紹介される求人の質も変わってきますので、自分はどういう働き方がしたいのか?どういう職場で働きたいのかをはっきりさせておきましょう。
求人の紹介を受ける
電話で要望を話したら、次はいくつか求人の紹介を受けます。
電話で直接紹介を受けることもできますが、あとで見返せるよう、メールでも詳細を送ってもう事をおすすめします。
おそらく3つほど求人の紹介を受けるので、その中から気になったものを伝えましょう。
しっくりくる求人がない時は「もっとこういう職場がいいです」とさらに具体的な要望をしましょう。
「もっと駅チカがいい」
「もっと綺麗な職場がいい」
などなんでもOKです。
派遣会社の人と顔合わせ(採用面談)に行く
気になる求人があったら、日程を決めて顔合わせにいきます。
顔合わせとは、派遣先と派遣会社、あなたとで顔を合わせて労働条件などの最終確認と双方の合意を行う機会です。
正社員のような面接ではなく、派遣会社の人と一緒に話を聞きに行くという感じなのでリラックスしていて大丈夫です。
顔合わせのタイミングで派遣会社の人と初めて顔を合わせます。
初回の場合、施設側との約束の時間よりも少し前に最寄り駅などで待ち合わせをして、派遣会社の契約書等を記入したり、お互いの事を少し話す時間が設けられます。
派遣の場合、面接行為は基本的に禁止されているので、あなたのことは派遣会社の人が代わりに話してくれます。
できるだけ打ち解けておくと顔合わせがスムーズですよ。
面接行為禁止ってなに?どういうこと?
と思った方は以下の記事もどうぞ。
顔合わせとは?の解説記事です。
【派遣介護】顔合わせとは?聞かれる質問と回答例、服装を解説【経験談】
面談が終わったら施設内の見学をさせてもらう場合がおおいです。
見学がおわり、質問がなければその日は終了です。
就業開始
顔合わせで問題がなければ、あとは就業開始希望日に派遣先に出勤するだけです。
その後の流れは各派遣先で異なります。
顔合わせをして、やっぱり止めたい・ちょっと想像と違ったなどの場合は派遣会社にその旨を伝えましょう。
詳しく話して、また別の施設の紹介を受けて再度顔合わせに行けばOKです。
以上が派遣会社登録から就業までの流れになります。
各派遣会社で多少異なるところもあるかと思いますが、基本的な流れは同じですので参考にしてください。
介護特化の派遣会社選びのコツ

最後に、派遣会社の選び方について解説します。
派遣会社を選ぶ時に見るべきポイントは次の4つです。
- 求人数
- 対応エリア
- サポート体制
- コンサルタントとの相性
基本的に、この4つをみて派遣会社を選べば、大きな問題はないはずです。
私も実際これらに気を配って選んでおり、特に一番最後は最重要です。
求人数
求人数は多い方が良いです。
選択肢が多い方が、より良い求人に巡り合える確率も上がります。
対応エリア
自宅がある場所、もしくは自宅から通える場所が派遣会社の対応エリア内かどうかを必ず確認してから登録しましょう。
対応エリア外だと求人の紹介を受けられないので、登録するまでの時間が無駄になってしまうこともあります。
首都圏では、対応エリア外ということはほとんどないと思いますが、地方の場合は一度確認してからの方がいいでしょう。
サポート体制
無資格や未経験で働き始めるなら特にサポート体制は重視したほうが良いです。
資格が安く取れる制度があるとか、未経験者対象の研修があるとかその辺をチェックしてみてください。
自分のキャリアアップに繋がりやすい体制の派遣会社を選びましょう。
無資格or未経験で派遣を目指すならかいご畑 がイチオシです。
コンサルタントとの相性
コンサルタントとの相性は派遣会社を決めるうえで最重要ポイントです。
派遣会社は沢山あり、派遣会社選びに迷うとネットの口コミを参考にしたくなりますが、他人の口コミは参考程度にしておいた方が良いです。
というのも、派遣会社のコンサルタント(営業担当)はエリアごとに担当制になっていることが多く、その口コミを書いた人と自分とで担当してくれるコンサルタントが同じとは限らないからです。
口コミや他人からの評判が悪くても、自分を担当してくれた人は凄く良い対応をしてくれたということも充分にあり得ます。
その逆も然りです。
私は、いくつかの派遣会社に登録し、就業した経験から、基本的にかいご畑ときらケアを勧めていますが、この2つの派遣会社も決して良い口コミばかりではありません。
使ってみたけど良くなかったという評判もSNSで見たこともあります。
実際登録して、話してみて、自分の感覚で決めるのが一番です。
口コミを鵜呑みにせず、気になったところにはとりあえず登録して話してみて、その印象で徐々に絞っていくのがおすすめです。
現役介護士がおすすめする派遣会社は3社のみ【理由とセットで解説】
まとめ
今回の記事は、派遣介護士のメリット・デメリットを実際の経験を元に解説しました。
現役介護士として、常勤も派遣も経験してみて、個人的には派遣はメリットがかなり大きいと感じて居ます。
特に、これから資格を取りたいと考えていたり、常勤の働き方に疲れている、プライベートの比重を増やしたなど明確に目標が決まっている場合はそれに合わせて働き方を再検討してみると、ストレスを下げつつ介護を続けることができるかもしれません。